2024/11/13の日経新聞一面は?

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今日の朝刊では、以下の4つの記事が取り上げられています。それぞれの記事について、わかりやすく解説していきます。

コンビニで薬が買える時代へ 薬剤師不在でも市販薬購入が可能に 夜間や地方の利便性向上について

記事概要

厚生労働省は、薬剤師や登録販売者がいないコンビニエンスストアや無人店舗でも市販薬を購入できる制度を検討しています。

スマートフォンを使った薬剤師とのやりとりにより、一般用医薬品の購入が可能になる新しいシステムが導入される予定です。

これにより、夜間や薬局が少ない地方での医薬品入手が容易になり、特に急な発熱や体調不良に対応できる利便性が高まります。

2025年の通常国会で法改正案が提出され、成立すれば1~3年後の実施が見込まれます。

背景

現在、市販薬の販売は薬剤師や登録販売者がいる薬局やドラッグストアに限定されていますが、薬剤師がいないコンビニなどでは第1~3類医薬品の取り扱いができません。

このため、急に体調が悪くなったときや夜間に薬を必要とする場合には、医薬品を手に入れることが難しい状況でした。

特に、薬局が少ない地方では医薬品の入手が限られるため、便利で身近なコンビニでの市販薬販売を求める声が多く上がっていました。

2021年に実施された調査では、コンビニで取り扱ってほしい商品として「医薬品」がトップに挙げられています。

急に体調が悪くなったときや、早朝・深夜に薬が必要な場合、医薬品をすぐに入手できる場所が少ないため、利用者の利便性向上が期待されています。

また、ネット通販でも市販薬は購入可能ですが、配送に数時間から数日かかるため、即時性が求められる状況では不便が生じていました。

新制度の内容

この新制度では、薬剤師がいないコンビニでも薬剤師とインターネットを通じてやり取りをすることで市販薬の購入が可能になります。

具体的には、スマートフォンアプリを使用し、薬剤師からビデオ通話などで薬の説明を受けた後、QRコードが発行され、そのQRコードをレジで読み取ることで薬を購入する流れです。

また、薬剤師の管理のもと、薬の保管状況や販売手順も定期的にチェックされることで、品質と安全性も保たれます。

社会問題と対策

市販薬の乱用や窃盗が社会問題として指摘されているため、対策も重要です。

今回の制度では、法令上の保管要件を満たすために、タバコと同様、購入者が直接手に取れないようにレジの後ろに保管するなどの対応が取られます。

また、薬剤師がビデオ通話などで販売を拒否できる仕組みも導入されるため、乱用が疑われる場合には販売を制限することが可能です。

今後の見通し

厚生労働省は年内にも方針をまとめ、2025年の通常国会に医薬品医療機器法(薬機法)の改正案を提出する予定です。

これが成立すると、新制度は1~3年後に施行される見込みです。

医薬品の販売管理が厳格に実施されるため、消費者の安全を確保しながら、コンビニでの医薬品購入が可能となることが期待されます。

私たちへの影響

この制度が導入されれば、急な体調不良や夜間でも身近なコンビニで医薬品をすぐに購入できるようになります。

特に、過疎地や地方に住む人々にとっては、医薬品の入手がしやすくなり、医療へのアクセスが改善されることが見込まれます。

また、医薬品の購入方法がデジタル化されることで、薬剤師と手軽にやり取りしながら適切な薬を選ぶことができるため、より安心して医薬品を使用できる環境が整備されます。

さらに、スマートフォンを活用することで、薬の使用方法や注意点を理解しやすくなり、誤用や副作用のリスクも低減されるでしょう。

ただし、薬の乱用や転売のリスクも考慮し、適切な管理とルールの整備が求められます。

トヨタやホンダ、米ロビー費増加 関税やEV優遇巡り トランプ氏復権で加速について

記事概要

近年、日本の自動車メーカーであるトヨタ、ホンダ、日産などがアメリカでのロビー活動費を大幅に増やしています。

この背景には、過去のトランプ政権の保護主義的な政策や、現在のバイデン政権による電気自動車(EV)優遇策への対応が求められたことがあります。

また、アメリカ大統領選でトランプ氏が再び政権に返り咲いたので、さらにロビー活動が加速すると予想されます。

ロビー活動の概要と重要性

アメリカでは企業がロビイスト(政策の専門家)を雇い、議員や政府高官に対して自社に有利な政策を提案する活動が行われています。

自動車業界では、関税や環境政策など政府の決定が企業の競争力に大きく影響するため、ロビー活動は重要な役割を果たしています。

企業が支払うロビー費用は、この活動を通じて自社のビジネスがより有利な環境で行われるようにするために必要とされるものです。

ロビー費増加の背景

2017年から2020年のトランプ政権下では、日本の自動車メーカーがロビー活動に費やす費用が急増しました。

トヨタは、年間平均で約646万ドルを使い、オバマ政権時代に比べて32%増加しました。

同様に、ホンダと日産もそれぞれ19%と18%増加させています。

トランプ前政権が自国製造を推進し、輸入品に高関税をかける政策を打ち出したことが背景にあります。

バイデン政権に移ってからも、ロビー活動は引き続き重要視されています。

バイデン政権は環境政策としてEVを推進し、EVの普及を支援するための優遇策を実施しています。

この政策は、EV製造が進んでいない企業にとって、販売価格の面で大きな影響を及ぼすため、各企業はこの優遇策の中で自社の立場を守るための活動を続ける必要があります。

EV普及と北米生産拡大の取り組み

日本の自動車メーカーもEVの生産を拡充し、アメリカ国内での雇用促進を図るため北米での生産拡大に取り組んでいます。

アメリカ政府関係者に対しても、日本車がエネルギー効率の高い優れた製品であることをアピールし、優遇策から除外されないように働きかけを行っています。

中国企業もロビー活動を強化

ロビー活動は日本車メーカーだけでなく、アメリカ市場に進出している中国企業も積極的に行っています。

特に、中国の自動車メーカーであるBYDは、アメリカ市場での存在感を高め、米中間の緊張がもたらす影響を最小限に抑えようとロビー活動を活発に行っています。

2023年には前年比で65%増となる104万ドルを費やし、アメリカの政治情勢の影響を受けないように努めています。

今後の見通しと影響

大統領選挙でトランプ氏が勝利したので、再び自国製品の保護政策や高関税の導入が進む可能性があり、自動車メーカーはさらなる対応が求められるでしょう。

トランプ氏は輸入品に10~20%の関税を課す意向を示しており、特にホンダはメキシコで製造した自動車の8割をアメリカに輸出しているため、大きな影響が出る可能性があります。

ホンダや日産の経営陣も、今後の動向を見据えて、ロビー活動をさらに強化する方針を示しています。

まとめ

ロビー活動は日本の自動車メーカーにとって、アメリカ市場での競争力を維持するための重要な手段です。

トランプ氏の復権により、高関税や保護主義が再び強化されると見込まれるため、日本企業はその影響を最小限に抑えるための努力を続けるでしょう。

日中、ハイレベル対話推進を確認 石破首相と習主席が15日に会談について

記事概要

日本の石破茂首相は15日にペルーで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議の際に、中国の習近平国家主席と会談を行います。

この会談は、両国が戦略的な互恵関係に基づいて、経済や人的交流の強化を目指すものです。

両首脳はハイレベルの対話を進め、共通の利益を追求しながら、長期的に安定した関係の構築を確認する予定です。

さらに、2025年に日本で予定されている日中韓首脳会談に向けて、意思疎通を強化し、様々な懸案事項についても協力を深める方針です。

会談の背景と目的

石破首相と習主席の会談は、石破氏が首相に就任してから初めて行われるものです。

日中両国は経済的に深く関わっており、特に貿易や投資の分野で強い相互依存関係にあります。

経済面での連携を強化し、貿易や投資の拡大、人的交流の促進を進めるために、戦略的互恵関係を確認し、安定した関係の構築を図ろうとしています。

両首脳がハイレベルの対話を推進することで、将来的には、政府だけでなく企業や文化交流、観光など幅広い分野での協力が見込まれます。

戦略的互恵関係とその歴史的背景

戦略的互恵関係とは、両国が互いに利益を分かち合いながら協力することを目指す関係です。

2006年に安倍晋三首相(当時)が提唱し、2008年の日中共同声明に明記されました。

この理念は日中関係の外交方針の基盤となっており、特に経済と安全保障の分野での連携を図る上で重視されています。

しかし、両国の緊張が高まった時期には、この関係が一時的に途絶えました。

2023年11月に、当時の岸田文雄首相と習主席との会談で6年ぶりに復活し、日中間での新たな協力関係が確認されました。

現在の日中関係と対話の必要性

日本は対中国戦略において、両国の関係を「建設的かつ安定的」なものにする方針を掲げています。

現在の日中関係は経済的な依存度が高いため、政策が両国に及ぼす影響は非常に大きいです。

したがって、ハイレベルの対話を行うことで、意思疎通の強化と突発的な摩擦の回避を目指しています。

特に経済面において、日本と中国は互いに利益を共有しつつも、政策上の意見の違いがしばしば発生しています。

例えば、環境問題や貿易摩擦、輸出管理の問題などが存在していますが、対話を通じて、共通する課題の解決を図ることが期待されています。

福島原発処理水問題と懸案事項

現在、日中間で解決が必要な大きな課題の一つが、日本産水産物の輸入停止に関する問題です。

2023年夏以降、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出が開始され、中国政府はこれに反発し、日本産水産物の輸入を全面的に停止しています。

石破首相はこの会談で、中国に対して日本産水産物の輸入再開を求める方針であり、両国間の摩擦が和らぐことが期待されています。

福島の処理水問題は、日本国内外で環境問題として注目されていますが、国際的な基準に沿って処理が行われていると日本政府は主張しています。

この会談が進展すれば、貿易や交流の再開が促進され、経済的にも互いに利益をもたらすと見込まれています。

今後の見通しと影響

2025年に日本で予定されている日中韓首脳会談に向けて、日中間でハイレベルの対話が推進されることは、今後の外交関係にとって重要なステップです。

特に、中国側の李強首相の来日が期待されており、新型コロナウイルスの影響で実現が難しかった首脳交流が再び活発化する可能性があります。

さらに、日中韓首脳会談が成功すれば、東アジア地域における経済的・政治的な安定にもつながります。

この会談をきっかけに、地域全体での協力が進む可能性があり、日本や中国のみならず、韓国も含めた三国間での連携が強化されるでしょう。

まとめ

石破首相と習主席の会談は、日中関係の発展において重要な意味を持ちます。

両国が戦略的互恵関係のもとで協力し、経済や安全保障における安定を維持するための対話が行われることは、アジア地域の平和と安定に貢献するものです。

今後、日中韓の三国間での関係強化が進むことで、地域全体の経済成長と平和が促進されることが期待されています。

また、日本にとっても、中国との関係改善は経済的な利益をもたらすだけでなく、地域全体の影響力を高める一助となります。

太陽光パネル・車、リサイクル拠点全国に 政府が整備支援 レアメタルを確保について

記事概要

日本政府は、太陽光パネルや自動車に含まれるレアメタル(希少金属)を再利用するためのリサイクル拠点を全国に整備する計画を進めています。

これは、将来的に廃棄されるこれらの資源から貴重な金属を回収し、国内での資源循環を強化する取り組みの一環です。

具体的には、2026年度以降に全国で約10カ所のリサイクル拠点を稼働させる予定です。

政府はこれを実現するため、回収や保管を行う事業者に対して資金支援を行い、資源リサイクル産業の育成や経済安全保障1の推進も図ります。

背景

地球環境を守るための再生可能エネルギーの利用が広がる中で、太陽光パネルの設置数が増加しています。

しかし、設置から約20年~30年が経過した太陽光パネルは寿命を迎え、大量の廃棄が見込まれることから、今後はこれらの廃棄物の処理が大きな課題となります。

太陽光パネルだけでなく、電気自動車や蓄電池も、次第に寿命を迎え、大量の廃棄が発生することが予測されています。

廃棄物にはリチウム2やニッケル3といった希少で貴重な金属が含まれており、これらの金属は「レアメタル」と呼ばれています。

レアメタルはスマートフォンや家電、自動車のバッテリーなどに使われ、経済や技術において重要な役割を果たしています。

しかし、その多くは輸入に依存しているため、国内で確保するための仕組みが必要とされています。

政府の計画と支援内容

今回の計画では、太陽光パネルや電気自動車のバッテリーに含まれるレアメタルを再利用するため、廃棄物の回収・保管・再利用を効率よく行えるリサイクル拠点を設置します。

この計画では、政府が産業育成のために資金支援を行い、これにより事業者がリサイクル拠点の設置や設備投資をしやすくします。

具体的には、2025年度から廃棄物が回収できる場所の選定を始め、リサイクル施設を整備するための資金を「エネルギー対策特別会計」から数百億円規模で投入する予定です。

このリサイクル事業は民間主導で行われ、地域の専門業者が回収と解体を行います。

例えば、太陽光パネルのリサイクルでは、2023年には三菱ケミカルの子会社である新菱(北九州市)が年間約9万枚の処理能力を持つリサイクル工場を稼働させています。

今後の見通しと影響

今回の計画が進展すれば、廃棄される太陽光パネルや電気自動車のバッテリーから貴重なレアメタルを再利用できる仕組みが整い、海外からの輸入依存を減らせる可能性があります。

これにより、日本はレアメタルの安定供給を確保し、経済安全保障の観点からも強化されるでしょう。

また、資源をリサイクルする産業が発展することで、雇用の創出や地域経済の活性化にもつながります。

環境保護の面でも、廃棄物が適切に処理されることで、環境への負担が軽減されるでしょう。

全体のまとめ

これらの記事を通じて、私たちの日常生活から経済、環境に至るまで幅広い課題が見えてきますが、それぞれが私たちに与える影響を理解し、意識的に行動することが重要です。

例えば、医薬品を自己判断で安易に使用せずに注意を払うこと、環境に配慮した製品選びを心がけること、また日々のニュースを通して国際情勢を知り、自分なりの意見や理解を深めることが求められます。

こうした取り組みを通じて、私たちもまた、持続可能で安定した社会の一員としての役割を果たしていけるでしょう。

ポイントとなる用語解説

  1. 経済安全保障
    国家の経済基盤を外部からの影響やリスクから守る考え方です。資源やエネルギー、技術の安定供給を確保し、外部依存や経済的脅威に備えることを目指します。特に重要資源や高度な技術が国外依存に偏ると、供給が途絶した際に大きな影響を受けるため、国内生産や資源循環を強化する政策が重視されます。 ↩︎
  2. リチウム
    軽い金属で、特に電気自動車やスマートフォンのバッテリーに使われる重要な資源です。電池の性能を高めるため不可欠であり、再生可能エネルギーの普及にも貢献しています。しかし、採掘地が限られているため、需要が増える中で供給不足が懸念されています。リチウムのリサイクルが進めば、資源の安定供給や環境保護につながります。 ↩︎
  3. ニッケル
    耐久性が高く、腐食に強い金属で、主にステンレス鋼やリチウムイオン電池の材料として使われます。電気自動車のバッテリーで重要な役割を果たし、電池の容量と寿命を向上させる効果があります。また、電動化が進む中、ニッケル需要が高まっているため、リサイクルを通じて安定供給を図ることが求められています。 ↩︎

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