2024/9/28の日経新聞一面は?

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今日の朝刊では、以下の3つの記事が取り上げられています。それぞれの記事について、わかりやすく解説していきます。

石破氏が自民党総裁に選ばれました

記事概要

2024年9月27日、自民党総裁選1が行われ、第28代自民党総裁に石破茂氏が選ばれました。

総裁選の投票は1回目では過半数を得られなかったため、上位2人による決選投票2が行われ、石破氏が高市早苗氏を破り215票を獲得し勝利しました。

これにより、10月1日の臨時国会で岸田文雄首相の後任として第102代首相に指名される予定です。

総裁選の流れ

今回の自民党総裁選には過去最多の9名が立候補しました。

初回の投票では、国会議員票368票と党員・党友票368票、合わせて736票で争われました。

高市氏は党員票で最多の支持を集め、議員票でも2番目の票数を得てトップに立ちました。

一方で、石破氏は議員票で3番手、党員票でも高市氏に及ばず、合計154票で2位となりました。

決選投票では、議員票の比重が大きくなり、石破氏が逆転する形で勝利しました。

特に、高市氏との距離がある議員票が石破氏に集まったことが大きな要因でした。

また、地方からの支持が厚い石破氏に有利な投票方式だったことも、石破氏に有利に働きました。

石破氏の政策と今後の課題

石破氏が新たな総裁に選ばれたことで、党役員や閣僚の人事が注目されます。

石破氏は「老壮青(ろうそうせい)」と呼ばれるように、幅広い年齢層の能力を最大限に活かす人事を目指しており、総裁選で争った候補者たちにもふさわしい役職を与えるとしています。

ただし、まだ具体的な人事案は白紙と述べており、10月1日の首相指名選挙後に本格的な新内閣を発足させる予定です。

石破氏はインタビューで、2025年度予算案の編成に支障を出さないためにも、年内に衆議院解散・総選挙3が行われる可能性が高いとコメントしています。

衆院選では、野党との論戦を通じて国民の判断を仰ぎたいとの考えを示しており、選挙が近づく中で、どのような政策が争点になるかが注目されています。

派閥の影響と政治資金問題

石破氏は、派閥4と人事の関係を考慮しない姿勢を示しており、党内派閥の影響を排除することを強調しています。

また、現在問題となっている党派閥の政治資金問題5に関しては、これまで広がった政治不信を払拭することが大きな課題です。

石破氏は、政治資金問題で処分された議員の公認について、党選対本部で議論しつつも、最終的には自らが説明責任を果たすとしています。

今後の見通し

石破新総裁の下で発足する新政権が抱える最大の課題の一つは、自民党の低迷している支持率をどう回復させるかです。

自民党はこれまで支持率が20%台に低迷してきましたが、石破氏のリーダーシップによってどれだけ支持率が回復するかが、今後の衆議院解散のタイミングにも大きく影響するでしょう。

また、石破氏は「ルールをきちんと守る政党」であることを強調し、公平で謙虚な政党としての改革を呼びかけました。

特に、国民に対して透明性のある政治を進めるための仕組み作りが求められています。

新総裁の任期は2027年9月までの3年間で、今後の政権運営においてどのような成果を上げるかが注目されます。

石破新政権の影響

石破氏が新総裁として選ばれたことで、国内外にいくつかの影響が見られます。

まず、内政面では、衆議院解散と総選挙のタイミングが焦点となります。新内閣発足後、自民党が支持率をどれだけ回復できるか、またどのような政策を掲げて選挙に臨むかが重要です。

外交面では、石破氏はこれまで防衛大臣などを歴任しており、安全保障に対する見識が深いことから、日米同盟6や東アジアの安全保障問題においてもリーダーシップが期待されます。

特に、最近の世界情勢を踏まえて、日本の外交政策にどのような変化がもたらされるかが注目されています。

さらに、経済政策においても、新政権がどのような景気対策や経済改革を進めるかが注目されます。

現在の経済環境下で、消費税や社会保障費の見直しなどが議論される可能性も高く、これらの政策が国民生活に与える影響は大きいです。

日本航空(JAL)の再雇用制度改定について

記事概要

日本航空(JAL)は2024年10月から、再雇用したシニア社員の年収を現役時代と同等にする新制度を導入します。

これにより、高い評価を受けたシニア社員は、地上職でも年収が1000万円を超えることが可能となります。

従来の制度では、60歳で定年を迎えた後に再雇用されると、年収は4割から6割ほど減少していました。

この改定は、シニア社員の働く意欲を高め、持続的な事業運営を目指すためです。

具体的には、再雇用された社員には、成果に応じた評価制度7が導入され、現役社員同様の給与を受け取ることができます。

新制度の対象は65歳までで、その後も70歳まで働く場合には従来の制度が適用されます。

JALの従業員の平均年収は約921万円であり、再雇用社員の年収もそれに近づけるため、評価に応じて給与が決まります。

また、最上位の管理職相当の社員には、さらに5段階の給与水準が設定され、成果に基づいた賞与も支給されます。

シニア社員に求められる仕事のレベルも高く、現役社員よりも成果評価が重要視されるため、成果次第で年収1000万円を超えることが可能となります。

背景と今後の見通し

今回の制度改定の背景には、航空業界の高齢化と人手不足という問題があります。

JALの従業員のうち、50代から60代が約5800人と、全体の約4割を占めています。このため、航空需要が拡大する中で業務を維持するためには、シニア社員の活用が不可欠です。

従来の再雇用制度8では、年収が大幅に減少することから、シニア社員の働く意欲が低下してしまうことが問題視されていました。

航空業界全体でも、パイロットの高齢化が進んでいます。国土交通省の調査によれば、国内の機長や副操縦士の約3割が50代です。

JALでも、1990年代に大量に採用された従業員たちが50代を迎えており、今後の退職ラッシュが予想されています。

そのため、シニア社員を再雇用し、労働力として活用することが急務となっています。

影響と考えられる結果

新制度により、シニア社員の年収が現役時代と同等に維持されることで、彼らの勤労意欲が向上し、航空業界全体の労働力不足を補う効果が期待されます。

また、シニア社員の経験や知識を活かすことで、若手社員の育成にもつながるでしょう。

しかし、新制度の導入により、人件費が年間で数十億円増加する見通しです。

それでもJALの鳥取三津子社長は、「人件費は費用ではなく投資」と位置づけており、シニア社員への投資が会社の長期的な利益に結びつくと考えています。

また、パイロットに関しては、身体検査や必要な訓練を受けて安全性が確認されれば、国際線では64歳、国内線では67歳まで操縦が可能です。

JALでも定年を迎えたパイロットの9割が再雇用されており、これもシニア社員の活用が進む一例となっています。

一方で、シニア社員に高い成果を求める新しい制度は、現役社員との競争が激化する可能性もあります。

これにより、職場内のバランスが崩れるリスクも考えられます。

しかし、適切な評価制度が機能すれば、現役社員とシニア社員が互いに支え合い、航空業界全体の発展につながる可能性が高いです。

今後の課題と展望

今後の課題としては、シニア社員の評価基準をどのように設定するかが重要です。

成果を基にした評価制度が公平に機能することで、シニア社員のモチベーションが維持されるだけでなく、現役社員との協力関係も築けるでしょう。

また、人件費の増加がどのように会社の収益に影響を与えるかも、今後の課題として注視されるべきです。

この制度改定が成功すれば、他の企業や業界にも波及する可能性があります。

特に日本全体で高齢化が進む中で、シニア社員を活用するためのモデルケースとして注目されるでしょう。

まとめると、JALの再雇用制度改定は、シニア社員の働く意欲を高め、持続的な事業運営を支えるための重要な一手となるでしょう。

同時に、航空業界全体が直面する人手不足と高齢化の問題を解決するためのモデルケースとして期待されます。

石破茂新自民党総裁の経済対策について

記事概要

2024年9月27日、自民党の新総裁に石破茂氏が選出されました。

石破新総裁は、記者会見で経済対策を含む2024年度補正予算案9の編成について、自民・公明両党と協議していく方針を明らかにしました。

その中で「物価上昇を上回る賃金上昇を実現するため、新しい資本主義をさらに加速させる」と強調し、物価高に対応するための具体的な政策を進める考えを示しました。

石破氏は、特に食料品やエネルギーの価格高騰に対し、効果的な政策を慎重に見極めつつ実行すると述べています。

また、能登半島地震や豪雨などの自然災害に対しては、補正予算の編成を待たず、予備費を用いて早急な対応を行うことを決定しました。

経済面では、デフレ10からの脱却を重視し、岸田前首相の取り組みを引き継ぐ形で、個人消費を促進させる環境づくりや、国内の設備投資を活発化させることが必要だと述べています。

具体的には、海外にある生産拠点を国内に戻すことによって、雇用と所得の機会を増やし、国内経済を活性化させることを目指しています。

さらに、少額投資非課税制度(NISA)11を通じた「貯蓄から投資への流れ」を加速させるべきだと強調し、金融所得課税12の強化についても、公平な税制が必要であることを述べました。

背景

石破氏が総裁に選出された背景には、自民党内での支持があったことはもちろん、彼の政治キャリアや幅広い政策経験が評価されたことが挙げられます。

特に、地方創生や安全保障に詳しく、幅広い政策分野で安定したリーダーシップを発揮できる人物とされています。

これまでの政権では、経済政策が特に重要視されており、物価の上昇や賃金の低迷といった問題に対する具体的な対策が求められてきました。

今後の見通し

石破新総裁の下で、自民党はまず2024年度補正予算案の編成に取り掛かります。

この補正予算案は、特に物価上昇に苦しむ国民への支援策を中心に、食料品やエネルギーの価格高騰に対する対策が含まれる見込みです。

また、賃金の上昇を促すための具体的な政策も盛り込まれることが予想されます。

石破氏が言及した「新しい資本主義13」の加速は、経済の構造改革を通じて、持続可能な成長を目指すことを意味しています。

これにより、物価上昇に対しても、賃金がそれを上回る形での上昇を実現し、国民の生活水準を改善させることが期待されています。

また、彼は能登半島地震や豪雨などの自然災害に対しても、迅速に対応する方針を示しています。

補正予算の編成を待たず、予備費を活用して早期に対応することで、被災地の復興を支援し、国民に安心感を与えることが狙いです。

経済政策の影響

石破氏の経済政策が成功すれば、以下のような影響が考えられます。

1. 賃金上昇と物価安定
物価上昇に対して、賃金がそれを上回る形で上昇すれば、国民の生活の安定が期待できます。

特に、物価高の影響を受けやすい低所得層に対しては、大きな支援となるでしょう。これにより、消費が促進され、経済全体の活性化につながります。

      2. 個人消費の拡大
      石破氏は、個人消費の拡大が経済成長に不可欠であると強調しています。

      これは、賃金が上昇し、消費者がより多くのものを買えるようになることで、デフレからの脱却につながります。

      日本は長年デフレに苦しんできましたが、個人消費の回復がその鍵を握ると考えられます。

        3. 国内投資の促進
        石破氏は、国内への設備投資を促進するための環境づくりが重要だと述べています。

        特に、海外にある生産拠点を国内に戻すことで、雇用が創出され、国内経済が活性化することが期待されます。

        これは、日本の製造業を再び強化するための一環であり、長期的には経済の安定にも貢献するでしょう。

          4. 税制改革の進展
          金融所得課税の強化について、石破氏は「税制は公平でなければならない」と述べています。

          特に、NISAを通じた貯蓄から投資への流れを加速させることで、個人投資家を増やし、経済の多様化を図ろうとしています。

          税制改革は、今後の政策議論の中心となり、特に若い世代や低所得層に対してどのような影響があるかが注目されます。

            5. 地方経済の活性化
            石破氏は地方創生にも力を入れており、地方経済の活性化を通じて、全国的な経済成長を目指しています。

            これは、人口減少が進む地方の雇用創出や、地域の活性化につながる重要な政策であり、地方自治体と連携した取り組みが期待されます。

              今後の課題

              石破新総裁が直面する課題は多岐にわたります。

              まず、物価上昇に対応しつつ、賃金をどのようにして上昇させるかが最大の課題です。

              物価が上昇する一方で、賃金が追いつかない場合、生活費の負担が増し、消費が減退する可能性があります。

              これを防ぐためには、政府と企業が協力して、賃金上昇の仕組みを確立する必要があります。

              また、国内への設備投資を促進するためには、企業が国内での投資に魅力を感じるような政策が求められます。

              これには、税制優遇措置や、インフラの整備、労働環境の改善などが含まれるでしょう。

              さらに、少額投資非課税制度(NISA)を通じた「貯蓄から投資への流れ」を加速させるためには、個人投資家に対する教育や支援が必要です。

              特に、若者や低所得層に対して、投資のリスクやメリットを正しく伝えることが重要です。

              まとめ

              この3つの記事に共通する背景は、日本の人口減少や高齢化、経済の停滞です。企業も政府も、それぞれの立場でこの問題に取り組んでいます。

              JALのシニア再雇用制度は、高齢化社会での労働力確保を目指し、石破氏の賃上げ政策は、物価上昇とデフレ対策に向けた取り組みです。

              今後、日本では人口減少と少子高齢化がさらに進むため、シニア世代の活用や働き方改革がますます重要になるでしょう。

              また、経済対策についても、物価上昇を超える賃金の引き上げが実現するかどうかが大きな焦点となります。政府と企業が協力して、日本経済を持続可能な形に導くことが必要です。

              これらの政策や取り組みが成功すれば、シニア社員が意欲的に働き続け、日本の労働力不足が少しでも解消されるでしょう。

              また、石破氏の賃上げ政策が進めば、国民の生活が改善し、個人消費が増えることで経済が活発化します。

              ただし、実際にこれらが実現するかどうかは、政府や企業の動き次第です。

              特に、物価上昇が続く中で賃金がどれだけ上がるかが今後の鍵になります。

              また、総選挙の結果次第では、政策の方向性が変わる可能性もあります。

              ポイントとなる用語解説

              1. 自民党総裁選: 自由民主党のリーダー(総裁)を選ぶ選挙。自民党は与党であり、総裁は日本の首相になることが多い。 ↩︎
              2. 決選投票: 初回投票で過半数を得られなかった場合、上位の候補者2名で再度行う投票。 ↩︎
              3. 衆議院解散・総選挙: 衆議院を解散し、国会議員を選び直すために行う全国選挙。内閣が解散を決定できる。 ↩︎
              4. 派閥: 政治家や政党内のグループや派閥。通常、特定のリーダーに従うグループ。 ↩︎
              5. 政治資金問題: 政治家や政党が集めるお金に関連する問題。適切に処理されなかった場合、スキャンダルとなる。 ↩︎
              6. 日米同盟: 日本とアメリカ合衆国の間で結ばれている安全保障協定。日本の安全保障政策において重要な関係。 ↩︎
              7. 評価制度: 業績に応じて給与やボーナスが決定される仕組み。成果に基づいて行われることが多い。 ↩︎
              8. 再雇用制度: 60歳以上の定年退職者が再度雇用される制度。多くの日本企業で行われているが、年収が大幅に減ることが多い。 ↩︎
              9. 補正予算案: 追加の政府支出を計画する予算案。経済や自然災害に対する支援を行うために組まれることが多い。 ↩︎
              10. デフレ脱却: 経済の停滞を脱して、物価や経済活動が上昇する状態に戻ること。 ↩︎
              11. 少額投資非課税制度(NISA): 個人投資家が利益を得る際、税金がかからない制度。投資を促進する目的で導入された。 ↩︎
              12. 金融所得課税 : 株式や債券、投資信託などの金融商品で得た利益に対して課される税金。株式の売却益、配当金、利息などが含まれる。金融所得に対する税率は約20.315%です。 ↩︎
              13. 新しい資本主義: 経済活動において、資本の効率的な運用と社会的公平性を両立させようとする考え方。岸田前首相の施策に関連。 ↩︎

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